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語りえぬものについては、沈黙しなければならない。(ウィトゲンシュタイン)
西村知巳の作品について考えはじめたら、ウィトゲンシュタインのあの有名な命題が頭に浮かんではなれない。西村のアプローチは、自らが出会ったさまざまな人々や場所を写真にとらえ、それぞれの被写体を言葉で描く、写真とテキストの構成で成立している。
その言葉は、饒舌に写真を説明するというより、被写体と西村本人との具体的で、緊張感のある関係性を浮かび上がらせている。
むしろ、写真と言葉というメディアの表象不可能性を自覚し、そこから出発することで、語りえぬ対象、世界との対話のドキュメントを生み出そうとしている。
田坂博子(東京都写真美術館学芸員/恵比寿映像祭キュレーター)
西村知巳 | Tomomi Nishimura
1978年山口県生まれ
2002年東京造形大学絵画専攻修了
2004年映画美学校ドキュメンタリー初等科修了
2004年より、集団制作「キクプロジェクト」の活動を開始
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